浮世みならひ

まっさら新米の心。恩師は冷ごはん。

深夜に

夜も深まった頃、ごった返していた街が静まりかえっているのに、私達はだらだらと眠りにつかずにいた

そんななか、なんだか不安になる話をする

昔こんなことがあったとか、よく覚えていないけどあの時のあれはなんだったんだろうとか、実はあれって訳ありらしいよとか、、、

あたしは、そんな話を今しないでよ!などと口では言いつつも、背筋の薄ら寒さとわずかな好奇心を覚えながら、少しうとうとして夢か現実かも分からない世界を彷徨っている

気づけば丑三つ時も過ぎていた

こんな話を誰かと家でのんびりする時間もきらいじゃない

心霊スポットに行くよりもずっと健全かもしれない

ただ、落とし穴がある

年月が経つにつれ記憶は、聞いた話とその時の雰囲気だけをぼんやりと残す

だからふと思い出した時には、その話が聞いたことなのか、自ら得た情報なのか、夢か、フィクションかノンフィクションなのかもよくわからなくなってしまうのだ

ソースの分からない話とそれに付随して思い起こされる少し不気味な雰囲気

分からないことってとてもこわい

まあ、そんな記憶がいくつかあったほうが、生活にも陰影が生まれていいのかもしれない