浮世みならひ

まっさら新米の心。恩師は冷ごはん。

2023-01-13から1日間の記事一覧

影がなごる

おやつはいつも黄昏時だった 伸びた影があとを引いて薄暗い中でビスケットをかじる バターの味は焦げてしまいそうなほどの橙色 あんな鮮烈な色はあっけなく姿を消して 安堵するような物足りないような まだ気だるさに甘ったれたい気持ちを残したまま見たくな…

暮れる

黄昏時 別に晴れていなくても夕日を感じる 心が明かりを呼んでいるのか 朝日とも似た炉の中が燃えるような強い光 朝日は強く意識を未来へとつなぐ 夕日は少し過去や歪んだ世界に引きずり込むような深さがある カーテンの隙間から漏れ出す光が感情を連れて行…