浮世みならひ

まっさら新米の心。恩師は冷ごはん。

つめたい

いつから寝ていただろう
布団から逃れると、程よい室内の空調がひさしぶりにかいた寝汗をゆるやかに冷ました
やや重いまぶたを持ち上げて、まだ熱を帯びた口内に冷蔵庫でよく冷えた果実を含む


つめたい


それは昨日の激しさの余韻を心地よく染み渡らせてくるような何かだった

 

おはよう


一見ぶっきらぼうに言葉を置いた君は何か考えるような顔をしてから少し蕩けた眼でこちらに微笑んだ

私は果実をごくりと飲み込んだ

甘酸っぱさが喉を潤して

時を再認識させる

君はそこに居た