浮世みならひ

まっさら新米の心。恩師は冷ごはん。

2023-01-01から1年間の記事一覧

さびしくなったり

不安になったり 心配になったり そういう時にイライラしてしまうのは あまりよくない 気がする アルコールと炭酸を口に含み 刺激に身を任せて 虚しさを 哀愁とかいうそれっぽい言葉に置き換えたら こんな時間をやり過ごせるのだろうか 誰しも少なからず何か…

つめたい

いつから寝ていただろう布団から逃れると、程よい室内の空調がひさしぶりにかいた寝汗をゆるやかに冷ましたやや重いまぶたを持ち上げて、まだ熱を帯びた口内に冷蔵庫でよく冷えた果実を含む つめたい それは昨日の激しさの余韻を心地よく染み渡らせてくるよ…

嘘つき

この世に何も残さないで今にも消えてしまいそうな顔をしていつか私を置いていってしまう 欲しいものを手に入れて、やりたいことをやりつくして、さよならしてしまう いつだって暗闇を見ていた まぶしすぎる光が痛いから夜の中をいつも歩いて、ある日奥深くま…

ふもいもんまつり

食いたい 食いたい 浮世には罪深い食べ物が溢れている 今一番食いたいのはパスタ というかスパゲッティという雰囲気を醸し出したものがいい 具体的には懐かしさとややこってりしたB級っぽさを必要としている ちょっとお子様っぽい味を求めている ナポリタン…

深夜に

夜も深まった頃、ごった返していた街が静まりかえっているのに、私達はだらだらと眠りにつかずにいた そんななか、なんだか不安になる話をする 昔こんなことがあったとか、よく覚えていないけどあの時のあれはなんだったんだろうとか、実はあれって訳ありら…

ゆったり

ゆとりがあって小さな幸せに気づける暮らしをしている人なんて今の浮世じゃほんのひと握りだろう スピード感のある生活ももちろん悪くはない でも忙殺はされたくない 緩急のバランスがとれた生き方ができる人なんてきっともっとすくない すんんんごく贅沢な…

ばなな

こんなにもおいしいのに おいしいのに…! アレを入れ忘れた ばなな そう、ばなな ホットケーキにバナナを入れると、熱が入ったバナナがとろっとして、洋酒を入れたような熟れた甘みが生地まで行き渡って、、 それはもう それはもううまい アレを入れ忘れるこ…

影がなごる

おやつはいつも黄昏時だった 伸びた影があとを引いて薄暗い中でビスケットをかじる バターの味は焦げてしまいそうなほどの橙色 あんな鮮烈な色はあっけなく姿を消して 安堵するような物足りないような まだ気だるさに甘ったれたい気持ちを残したまま見たくな…

暮れる

黄昏時 別に晴れていなくても夕日を感じる 心が明かりを呼んでいるのか 朝日とも似た炉の中が燃えるような強い光 朝日は強く意識を未来へとつなぐ 夕日は少し過去や歪んだ世界に引きずり込むような深さがある カーテンの隙間から漏れ出す光が感情を連れて行…