浮世みならひ

まっさら新米の心。恩師は冷ごはん。

影がなごる

おやつはいつも黄昏時だった

伸びた影があとを引いて薄暗い中でビスケットをかじる

バターの味は焦げてしまいそうなほどの橙色

あんな鮮烈な色はあっけなく姿を消して

安堵するような物足りないような

まだ気だるさに甘ったれたい気持ちを残したまま見たくない世界に目を向けようか