昨夜ヨリ 台風色ヲ 見ル
※ 前回の記事の続きではありません。
昨晩の北海道
台風を目前とする夜空には茫漠な重苦しさがあった。
上の画像は実際の空色を itaki がイメージして作ってみた色調(絵の具)。
上下で微妙に異なる色であることが お分かりいただけるだろうか?
実は 上の色は台風の雲の表現であるのに対して
下の色は冬に大雪の時の雲を表現している。
個人的感覚だと
上の色を見ると正体不明の不安が押し寄せてきて 息が詰まり
下の色を見るとこたつの中に入ったみたいに眠くなる。
共通点としては厚い雲に覆われて宇宙と隔離された空間であること。
街の灯りが乱反射して赤みを帯びると より異世界にワープしたようで
また晴れた星空と巡り会える日が来るのか不安になってしまう。
画材の中でも空の表現には パステルがもってこいな気がしている。
これも上が台風、下が雪の雲色。
普段の生活の中では 小さな範囲しか見えていないから
自分のまわりに少し風が吹いたり、日が差したり、雨が降ったりする。
でも台風の猛烈な風を目の前にすると
自分は広大なスパイラルバンド*1 の中では ちっぽけなチリであって
木々や家が根っこから吹き飛ばされるくらい凄まじい。
長い間 人工的環境に身を置くと
「自然環境とは離れて暮らしている」と錯覚しがちだけれど
やっぱり「自然はそこがどこであろうとも絶対的存在である」ことに変わりはない。
*1:台風の中心(アイウォール)に向かって巻き込む螺旋状降雨帯のこと。